事業承継とM&Aの違いとは？

事業承継とM&Aは誰かに企業・事業を引き継ぐという点で同じです。

ただ、M&Aは外部の企業が別の企業や事業を買収することをさすものですから、同じ企業に所属する者を後継者とする事業承継はM&Aではありません。
例えば企業Aの経営者が同じ企業Aに勤める息子を後継者として行う事業承継（親族内承継）はM&Aではありません。
一方で企業Bが企業Aの全部、或いは事業の一部を買った場合をM&Aといいます。

事業を引き継ぐ上での事業承継とM&Aの違いとして会社の株式評価額の扱いが挙げられます。

親族内承継の場合、株式評価額が高いと相続税・贈与税が莫大となります。
従業員承継の場合も同様に株式評価額が高すぎると後継者が株式を買い取りにくくなってしまいます。
以上の理由などにより事業承継では利益を減少させるなどして株式評価額を下げる必要があるのです。

一方でM&Aは買い手企業になるべく高い値段で買い取ってもらうことが必要になりますから、株式評価額は高い方が望ましいのです。

その他事業承継では同じ企業の者を後継者とするため、後継者教育が必要になりますがM&Aは多くの場合でその必要がないなどの違いがあります。

事業の引き継ぎの方法として事業承継・M&Aどちらが適切なのかは企業の事情により異なります。
事業承継に関するお悩みがあればぜひ一度ご相談ください。

事業承継についてお悩みの方は、お気軽になべくら総合法律事務所までご相談ください。